とまらない電気グルーヴ愛

本当にとまらない。googleで40ページ目まで検索するほどとまらない。というわけでここで勝手に好きな電気の曲を20曲くらいあげたいと思います。そして全部解説します。このくらいしないと好きな気持ちが収まりません。行き場のない愛情ですよ。20位からカウントダウンTVですよ。全部で10枚アルバム出てるんだから20曲なんて本当に一部ですよ。ゆとり世代の人は知らないんじゃないですか?みんな聞くべきですよマジで。ちなみにシャングリラははずしました。ライブでやると「おおー!!」って気にはなるけれど、上位20位に入れて特別に「感動した」と語りたいほどではないので。初めて聴いた電気の曲だけど、当時認識してなかったし。認識したのはナシゴナ(後述)。

今20曲選んでたら普通に30曲くらいになってた。曲多いなあw

20位 flashback j-pop countdown

これを曲というのかという批判は置いといて(バックにはFlashback discoという曲がずっと流れていて、それに乗せる形で女性のMCが入る)、声の切り貼りの仕方が天才的。これを聞いただけでとりあえず石野卓球天才と呼べる。日本のチャート番組のゆがみみたいなものを伝えたかったと言っていたが本当その通りにできちゃってるところがすごい。1位から3位まで全部死者の書とかwwww「軒先につるしたいたずらっこもほんのり桜色に色づいて反省の色もなく・・・なぁーんて気分になってしまう今日この頃ですが、みなさんいかがお過ごしですか?」という言葉のセンスも完璧でしょ。たった1分ちょいだけどすごい手が込んでるのがはっきりわかる。微妙なピッチ調整とか。この後にアルバムではエジソン電という迷曲が始まるんで、その幕開けとしても完璧。
ちなみにエジソン電はどう聴いてもカオス。普通に売ってる曲でカオスってありうるんだwwwww

19位 モノノケダンス

活動休止の直前に電気を知った身としては、復活第一弾となった少年ヤングも待ちわびた曲だったけれども(少年ヤングはあと1年したら評価がすごい上がる気がするが今のところ25位くらい)、モノノケダンスを聴いてやっと「電気が帰って来たー!!!!」という気分になれた。アルバム版もシングル版もどちらもすばらしい。「シンガーソングDJ」という石野卓球の電気におけるスタイルがうまく表されている。クラブを念頭に置いた雰囲気でありながらJ−pop。絶対に自分たちのことをテクノと言わない2人(言ってるのは周りだけ)の本質が出ている名曲。唯一惜しむべき点があるとしたら、墓場鬼太郎のOPとしての依頼がなければ生まれなかったということ。

18 BBE

瀧の作詞能力というか、言葉遊びの天才さがにじみ出る曲。TASAKAだっけ?KAGAMIだっけ?のリミックスがとにかく神。崖から竹馬でダイビング!とかとにかく無意味な詩がひたすら続くのだが、それが曲に不思議なかっこよさを演出している。この芸当は絶対に電気グルーヴ以外のグループでは成り立たせられない。これをKAT−TUNがやったらファンいなくなるでしょ?ちなみにもともとのヴァージョンはどう聴いてもラップの側面が強くて、私としては曲に納得いかない。

17 レアクティオーン 

あんまり言いたいことのないらしい石野卓球が言いたいことありげな歌詞をつけている歌。アルバムではボコーダーをつけているようだけれども(AUTOTUNEか?)、ライブでは歌を歌ってたなあ。インストになることもあるし、料理しやすい曲なんだろうな。客との距離感をうまく図っている感じがいい。DJでもどこでも、客との距離を大切にしている石野卓球らしいな、と思う。

16 Acid House All Night Long

シンガーソングDJとしての実力が一番発揮されている曲。ちなみに選んだ中では一番新しい。Yes,殺生!という叫び声で喜んでしまうのは私だけではないはず。アシッドハウスが本当に好きなんだなあ。初めてたぶん卓球がアシッドハウスを聴いて、クラブで楽しんだときの喜びとか、そして現在40を超えてDJをするときの楽しみとか、彼の生活の楽しい部分を全部凝縮したような音楽。聴くこっちも楽しくなってくる。これからも「シンガーソングDJ」としてがんばってください!

15 cafe de 鬼

シングルス&ストライクスに入ってるヴァージョンが最高で、最近ではライブの定番になりつつあるけど、昔から曲としてはあったもの。歌詞についてはところどころビートたけしの曲の歌詞を盛り込んだり、ネタを盛り込んだりして、瀧センス爆発。また、石野卓球はいろんなジャンルのリミキサーとしても有名だけど、その幅の広さが分かる。ちなみにシングルス&ストライクスの中に入った時期には、弾けないギターを弾くんだぜ(後述)やMr.Empty,中年パンクと言う、ロックくさい電気の曲が複数あるが、キチンとアルバムに入ったものはない。結果として、かなり古くからあり、何度もヴァージョンを変えているこの曲が、活動休止時にやってたロックっぽいものの中で唯一の定番曲となった。あのロックっぽい電気は面白かったから、もう一度やってくんないかなー。

14 電気ビリビリ

メンソールバージョンが名曲。ださいときはださく聞こえてしまう曲だけれども、アレンジによってはめちゃめちゃかっこよくなる。石野卓球は不思議な滑舌で話すので、「おれ」が「おで」に聞こえたり、「死体」が「額」に聞こえたりするけれども、それはむしろ石野卓球節のよさ。インディーズ時代に発売された曲で、オリジナルは歌詞がひどすぎる。Eminemの場合は、ピー入り歌詞は計算込みで入れたかっこつけの部分があるけれど、この人たちは素だからなぁwwwww

13 MUD EBIS

歌詞に意味なんてないと言い張る石野卓球だけど、攻撃的な歌詞は彼が好かれる理由のひとつにもなっている。実際にいた知り合いを題材にして書いた詩らしいですよ。個人的に、自分が私立学校に通っていて、MUD EBISに登場するような「バカ息子」をいっぱい見ているから、この歌にすごく納得できる。全国で金にもの言わせる「バカ息子」を徹底的に嘲笑するっていうのは、現代社会に対する強烈な風刺。そのあたりにキャラクターが出ちゃうんだよ。

12 TKOテクノクイーン

唯一の歌詞らしきものが「お願いだからやらせてください!」ってwwwww曲自体は石野卓球の音楽愛が感じられるものになっている。電気は歌モノテクノだと思っているんだけれど(個人的な感想)、歌モノのよさと愛着のあるジャーマントランスの流れがうまく溶け合っている。
真面目な話、「やらせてください!」っていうことばはこの曲によく似合う。セックスとクラブシーンには似た興奮状態があって、トランスの音のせめぎあいの中で流れるように「お願いだから、お願いだから、お願いだから・・・・やらせてください・・・!」っていう高揚感につながるのはよく分かる。

11 VOLCANIC DRAMBEATS

VOXXXへの流れが垣間見える曲。まりんがいたときはラウンジ・エレクトロニカの要素もほんの少しあったけれども、それが少ない。最近ライブで演奏されるときは、大抵ロッテルダムテクノっぽい感じで流されている。原曲はビッグビート風味。私はもともと電気を好きになる前から、ファットボーイスリムとかケミカルブラザーズあたりのビッグビート系(最近は廃れ気味だが今も好き)が好きなんだけれども、その流れを少し受け継いでいるのかな?卓球のソロではありえない空気がある。BBEと並んで焦ってるときに流すとテンションのあがる曲。

10 スマイルレススマイル

ダブっぽい感じがある。私はDry&Heavyの曲を中学生くらいのころに音楽番組で見てからなんとなくダブっぽいものに惹かれてはいるのだが、一番聴く音楽にはどうしてもなりえない。ダブとテクノにつながりがあることは最近になってやっと知った。この曲を聴くと納得。ライブでダブっぽさが強調されることはまずないが、卓球のダブというジャンルへの愛情があふれている。自分のよくやりがちな乾いた笑いを示すのにはぴったりな曲調だ。卓球は歌詞に気をつかってないというけれど、曲とやっぱりマッチしていないと語りかけるものはない。そのあたりは「天性の才能」と言っていい。

9 弾けないギターを弾くんだぜ

なぜ正式なアルバムに収録されていないのか?YELLOWになぜ収録されていない?(収録予定はあったらしい)天久聖一のPVもあわせて傑作。最近の電気にはあまり見られない、ロックっぽい曲調がまたいい。中年の人が見たらもっと哀愁を覚えるのだろうけれど、私自身にもすごい響く。できないことをやって生きている人には訴えるものがある。歌ってるのは瀧で、どっちかというと瀧ソロに近いのか?ミュージシャンとは呼びにくい瀧だけれど、こういう曲を聴くと瀧のいる理由がなんとなくわかる。そういえば前、メロン牧場で山崎さんが「瀧のDJはやる価値があると思うけれど」と言っていた。そのとき卓球は「こいつも海外とかでDJ聞いてるし、金もらってやるもんじゃないって分かってる」と言っていたけれど、私は金払ってでも瀧のDJは見てみたい。テクニックはともかくとして、絶対選曲とかいいと思うよ。

8 かっこいいジャンパー

東京以外の郊外から東京に出てきた人が抱く夢が全部詰め込まれてる。ライブではかなりアッパーなアレンジだけれど、CDではゆったりしてる。アレンジは私が確認しただけでも「幕張で見つけたジャンパー」「大阪で見つけたジャンパー」「名古屋で見つけたジャンパー」など。シンガーソングDJっていうwikipediaの卓球の紹介を見たとき笑ったけれど、この曲とか聴くと本当にそうだなあと納得wwwどちらかといえばミニマルっぽい演奏のときが多い希ガス

7 ムジナ

すまない一昨昨日までこの曲の存在を知らなかったが、聴いてひっくり返った。突然ガバっぽくなったりなんだこれは。BPMも少しずつ上げてるでしょ?インストものとして展開が読めないのに、なぜかまとまっていて美しい。ライブとかで流されることはまずないだろうけれど、まりんと卓球のバランスがよく取れている傑作。インストとしてBGMになりえない音楽なんて久しぶりに聴いたよ。もうとにかくすごい。みんなDRAGONかポポのシングル買え。

6 ズーディザイア

SLY MONGOOSEのメジャーデビューが「シンガーとしての」石野卓球をフィーチャーしたものだと聞いたときはかなりびっくりした反面、「ああ、やっぱりあの声のよさに惹かれる人っているよね・・・」と妙に納得した。自分がそうだから。伸びのある声は晩年になってから深み増し増し。ボイトレしたんじゃないかなあ。「ZOO」と「DESIRE」の取り合わせも、普通出てこないと思うんだけれども、瀧との共作で出てくるんだろうな。なのに楽曲は昔よりもポップじゃなくてミニマル。きっと卓球はソロではこういう曲は作れない。シンガー石野卓球がめちゃくちゃかっこいい。

5 N.O.

インタビューで、年収100万円以下のときに作った曲で、今はゼロ二つ増えた収入とか言ってたね。さすがですよ。ニートのアンセムになりつつあるわけだが、かっこいいやつに対する嫉妬をうまく歌い上げた曲ですよね。現代におけるやりきれなさは、今日昨日始まったものではなく、この資本主義社会が生まれたときからずっとあった。注目されるかされないか、それだけの違い。人生を解散させたときに作った曲だという話だけれども、本当かな?今は昔のヴァージョンよりずっとかっこいいアレンジで、いいテクノポップになってますよ。(テクノじゃなくてテクノポップ

4 カメライフ

これはN.O.とどっちを上にするかすごく悩んだんですけれどね。働く人の抱える無常さという意味で、こちらのほうがさらに現代先取りだっただろうと思う。社会人になってからさらにこの曲のよさがわかった。「亀の暮らしをしてみたーい」というのは、当時亀を飼っていたからなのか?(石野卓球は亀を飼っていた時期がある。ときどき当時のインタビューで亀の話が出てくる)たぶん本人たちは当時とにかくマイナスイメージをつけることに一生懸命だったから、その一環として出てきたものだと思うけれど、それが「働く生き方」そのものに対する強烈なアイロニーになるとは。本人たちも気付かず、意識しないままそういうことをヒョイっとやってのけるあたり、私が「天才」「神曲」と感じる所以となっている。たぶんN.O.の方が好きという人は多いだろうけど、現状を歌っただけのN.O.に対して「がんばるがんばるがんばるなんてやめちゃーえー」と言い切るこちらのほうが名曲だと思う。
ちなみに一時期Rezとのマッシュアップニコニコ動画にあって、すごい名曲だったんだけど消されちゃったんだよな。音はガバっぽい。ガバに歌がついたという奇跡も評価したい。

3 あすなろサンシャイン

一時期ライブの定番だったのに最近やらないなあ。すごい好きなのに・・・。どちらかといえばこれは相当個人的な思い入れが強い。もともと井上靖の「あすなろ物語」が自分の少女時代のバイブルで(自分が女なのになぜ男主人公のこの話がバイブルなのかという批判は聞きません)、そこの「あなたは翌檜でもないじゃないですか!」というヒロインの言葉にドキッとした。だからこの曲の「なろう!なろう!翌檜!明日は檜の木になろう!」という歌詞にはびっくりしたね。しかも井上靖の舞台は清水で、電気の二人が出身の静岡ですよ(清水は少し離れてはいるけれどね)。もう電気グルーヴ関係ないからね。繰り返しというテクノの基本を奇襲しながら、7分くらいの楽曲を綺麗にまとめて、展開もしっかりしているのはさすが。

2 Nothing's gonna change

初めて意識して「いいな」と思った電気の楽曲。それまで「Shangri-la」しか聴いたことなかったけど、その当時はそんなのよく知らなかったからね。シャングリラを聞いてたころ、音楽なんて全然聴きたいとかも思わなかったから、ちょっと気になるという程度だった。しかも石野卓球の楽曲を意識して聞いたのもこの曲=ナシゴナを初めて聞いた7−8年前。理由は簡単で、金ができたのでCDを昔の倍(実際昔の4倍くらい買ってる)買えるようになって、よく聞いてみたらすごいことがわかったというだけなんだけれども。あと私は一度耳にして覚えていた曲を何年も経ってから掘り出すことが多くて、順番にそれを現在かたっぱしからやってるわけだけれども、電気の場合は知らない情報が多かったから、ネットでその記憶を一生懸命補完しているんですよ。そしたら出てくる出てくる名曲たち。自分に合う情報の山。でもそれも、ナシゴナを聞いていなかったらそんな幸せな邂逅もなかったんです。そう思うと非常に幸せだし、この曲に自然と思い入れが深くなります。
「何も変わらない」という単純なメッセージは結構好き。私はいつもそういう目で世界を見ていないと心が腐ると思っている。何かに驚いちゃダメだ。驚いたふりはしてもいいけど動揺してはいけない。だから動揺している自分が嫌いだ。でもそういうことをすべて受け入れてくれるような懐の深さがこの曲にはある。だからこそ何年も何年もこの曲を忘れなかったのだろうと思うし、今聞いても大好きなのだろう。

1 虹

名曲すぎる。まずこの動画を見てほしい。

石野卓球が泣いている。このきっかけとなったのが「虹」という話はあまりに有名すぎる。この曲には人を抱きしめる力があると私は信じている。この番組のフルバージョンがあって、NHKはすぐにでもDVD化するべきだと個人的には思っている。私は買うぞ。
その番組の中で、卓球は「テクノは現代の民族音楽だと思う」という超名言を吐いている。いつ聞いても、忙しさや猥雑さを忘れさせてくれる。実際に「虹」がかかる場所は、どちらかと言えば汚い場所で、うるさいクラブやライブ会場だ。でもあの曲がかかった瞬間に美しい場所へと変わる。頭の中がクリアになる。電子ドラッグとはまさにこのこと。距離感、時間という感覚を忘れさせてくれる。現代人が現実逃避するのにぴったりだ。エウレカセブンというアニメ(私は見たことない)のEDで使われて、電気が好きになった人もいるという。そうした異なるジャンルの人を呼び寄せる力まであるものすごい曲。
初めて「虹」を聞いた瞬間は思い出せない。確かテキトウにネット上をさまよっていて誰かのリミックスを聞いたんだと思う。もしかしたら↑の動画を見て聞いたのかもしれない。はっきり覚えているのは、06年のCDJで電気グルーヴのライブを初めて見たときには、既に「虹」を知っていて、聞いたときに嬉しくて泣きそうになったということ。自分の周りでこの曲が好きという人はあまりいない。そもそも電気が好きという人もいない。でも聞いたとき、周りで叫び声を上げて感動している人はかなりいた。この音楽を聴いて感動している人が確かにいる、という感触をはっきりつかんだ。↑の動画でも、虹が流れたときに喜んでいる人が確かにいる。そのあやうい、インターネットとかライブ会場っていうすごく薄いつながりだけれど、どこかで自分とつながっている人が確かにいるという感触がある。
毎日つらいことのほうが多い。でもきっとこれがすぎれば楽しいこともあるんだと信じて生きている。きっといいことあるよ、今すごいくだらないことで悩んでいるんだよって、自然の簡単な摂理を歌うだけで教えてくれる。どんなバージョンであっても、複雑な気分を暖かく抱きしめてくれる。最高に気持ち悪い言い方をすると、理想の恋人の代わりになるような曲だ。

全部書いてみてわかった。石野卓球の作る音楽が好きだ。(ちなみに、ナシゴナの前あたりにCome babyという岡村ちゃんとやった曲が入ります。電気じゃないから入れなかったけど)

ところでuffieのCD(アルバム)が一般流通しているのを見たことないのだが誰か知りませんか。これは帰省したときにディスクユニオンに行かないとダメですか。あとTamara seisdedosというスペインの有名人のアルバムも見つかりません。誰か見つけたら教えてください。結構マジで。